帰宅後、何度かメッセージ送ったが既読になってなく、翌朝泪は日万凛に電話してみる。
 気になって返信を待っていられなかったのだ。
 トゥルルルル………と十コール位鳴らした頃、そろそろ切ろうとした時に事件が起こった。

 『……はい、今、日万凛シャワー浴びてるから出ちゃったんだけど。夏目さんだよね?』
 昨日はちゃんと日万凛送ったよ…事故で日万凛の家で一晩明かすことになったけれど、と苦笑しながら蒼生は申し訳なさそうに報告してくる。

 蒼生が対応した事に驚愕したが内容も驚愕で、泪はスマホ片手に目をカッと見開く。隣にいた智之がそれをみてビックリした表情しているがそんなのは気にしない。職場ではクールビューティーとか言われてる泪だが実際は感情豊かだ。

 「昨日は日万凛と話せましたか?日万凛を傷付けるつもりで近付いたなら、私はあなたを許しません。」
 恋愛は日万凛の自由なのにと思うけれど、日万凛が傷付くのが嫌だ。踏み込むのも良くないと思いつつ、キツいセリフを口に出してしまい、泪は後悔する。
 スマホを持ってない逆の手を智之が、そっと握ってくれたからこれ以上暴走することなかったが、智之と言うストッパーが無かったらもっと暴言を吐いてしまったかもしれない。
 智之はそっと泪が持っているスマホを開いてる手で取りスピーカーにする。智之も内容が気になるんだろう。智之からしたら日万凛は俺の妹、らしいから。