蒼生が用意してくれた軽食はトースト、ベーコンエッグ、そしてサラダだ。スープは常備している粉末のオニオンスープを日万凛が用意した。
 二人でテレビの音声をBGMにして食べる食事はなんだかくすぐったい気分だ。

 「そーいや、日万凛がシャワー浴びている時夏目さんから着信あったぜ。今シャワー浴びてるから後で掛け直させるって言ったからさ、掛け直せば?」

 「!!えっ?!?ちょっと何電話出てるの?そして何言ってくれるの!?誤解されるじゃない!!!」

 日万凛は急いでスマホを確認すると泪からのメッセージアプリの通知を受信していた。
 普段はメッセージアプリでトークしていても用件だけ端的に伝えてくる事が多いのが泪だ。

 BARで別れて多分、泪達が帰宅した頃に二件。
 これは久々の幼馴染の再会に関して。
 安否確認とまでは行かないけれど、心配してるから帰宅したら連絡して、との事。

 そして今朝のはよく分からないスタンプの乱舞に変換し損ねて平仮名だけで送信していたり誤変換も多々ある。相当動揺しているらしい。
 要約すると【昨晩、何があったのか(何で日万凛のスマホから男の声がするのよ!?大丈夫!?)】という事だろう。

 そして泪の恋人の智之からもメッセージアプリの通知が届いてた。
 【泪が叫びながら日万凛ちゃんにメッセージ送ってるけど…大丈夫?(いろんな意味で)昨日幼馴染くんと再会したそうだね、泪が心配しているから連絡してあげて欲しい。】と入っていた。