「蒼生、その冗談タチ悪い。」気恥ずかしくもあり悪態を吐くと、持っていたマグカップをカウンターに置きニヤニヤしながらベッドに近づいていた。
 そしてそのままベッドに浅く腰をかける。自然と蒼生との視線が近くなり見つめ合う格好になった。

 蒼生のその視線はとても柔らかい。だが日万凛は直ぐに視線を下の方に向け逸らしてしまった。視線を合わし続けることが恥ずかしく、なんだか胸の奥がくすぐったくなったからだ。
 蒼生は日万凛から視線をそらされたことに対して特に何か言うのでもなく、降車後のことを簡単に話してくれた。

 「……何もしてねえよ。お前が帰るなって言うから言われた通り帰らなかっただけ。」

 まぁ一晩中抱き合って寝てたのは本当だけどな、と余計な一言も加え。

 「とりあえずお前もシャワー浴びてくれば?昨日メイク落とさないで寝てるから顔ヤバいことになってんぜ。」