カクテルカレシが販売を開始して初の週末。一日気持ちが落ち着かなく仕事をこなしたが、どうにか定時ちょっと過ぎに退社出来た。
日万凛のオフィスからも、そして近隣の会社のオフィスからもサラリーマン、OLが出てきて駅や繁華街へと向かう。
日万凛もその波に乗って駅の方へ歩いていく。そして帰宅ラッシュに差し掛かった電車へと飛び乗った。

蒼生との待ち合わせは日万凛の家のある最寄駅を指定されていた。オフィスの最寄駅から電車一本で三十分弱の距離にある。
週末の帰宅ラッシュと時間が被るので駅周辺は普段よりやや混雑している。
人と人のの合間を縫って道の端の方に寄り立ち止まり、スマホを確認する。待ち合わせ時間にはまだ一時間近くある。

「んー、時間あるし、一度着替えて来ようかな…」

日万凛はスマホの画面を見つつ誰に聞かせるわけでもなくポツリと呟いた。

最寄駅から徒歩五分というのは、便利だなと駅から自宅に向かう最中に改めて思う。
ゆっくり化粧も直したいし、どうせなら可愛く着飾りたい。数年ぶりにプライベートでデートっぽいことをするので、日万凛は自分でもわかるほどに浮かれていた。そして待ち合わせを楽しんでいる。
それは久々のデートだからなのか、それとも蒼生と会うからなのか。やはり両方なのか。