カクテルカレシ
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カウントダウン。

あの飲み会の後から企画は大詰めに入った。
不破に思いつきで「カクテル飲料ってあまりスーパーとかで売ってないですよね?」と話してからもう一年近く経つ。
飲み会の後からの二ヶ月はそれは怒涛の勢いで仕事に向き合ってきた。第一弾の発売日も決まった。

何度もプレゼンを重ねて漸く広告会社と勧めていたCMの流れも決まり、CM撮影。それとスチール撮影。販促物の作成依頼。外注も多く広報がメインで動いてくれている。
結城を筆頭に広報部のメンバーがここぞとばかりに力を発揮している。
日万凛自身もリーダーとして今まで以上に擦り切れそうな現場であるが、この企画に携わっているメンバー皆が頑張ってくれている。

商品の開発はもう着地するが、販売してからが商品の本当の勝負である。
周防が所属している営業部も各方面に営業掛けてくれ、初動に関しては当初の予定よりも上回る売り上げになりそうで、当初は渋っていた上の人達も一安心しているであろう。
不破もそんな現状に一安心しているようだ。

CMは最近、色んな企業でも採用されているストーリー形式だ。
これは日万凛が発案した。カクテル言葉をモチーフにカクテル発売するのだ、どうせならそのカクテル言葉に沿ったCMにしたい。
そもそもこの企画自体がカクテル言葉ありきなのだから。

広報である結城も広告会社で担当してくれた方もこの案には賛成してくれた。特に広告会社の担当者は日万凛と同世代の女性。そしてこの商品のターゲット層の女性だ。
なのでターゲット層目線でプレゼンをいくつも練っていくれいた。日万凛が上手く伝えられないニュアンスも読み取ってくれ、それを活かして取り込んでくれる。
そしてターゲット層である二十代から三十代女性に人気の俳優和泉とのCM契約までもぎ取ってくれた。

一つの味につきストーリーは五話で進め、既に第一弾のジンライムは一話目は撮影終了し、二話目を撮っている。
和泉は仕事に対してストイックなところもあり、カメラワーク、照明、演技等製作陣と意見衝突しては度々中断、という事もあり撮影が押すことが多々あった。
だが当初予定していたものより、より印象に残るCMと完成していっている。その制作過程をずっと見守っていけるのは貴重な体験が出来たと思っている。
CM撮影の見学をした時、日万凛もこの人気俳優と一戦交えているのだが…それはまた別のお話。
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