『…て、冗談はさておき、悪いけど、そのまま朝まで家にいてあげてくんね?日万凛の家、一階だし無用心じゃん?過去に一度下着ドロにもあってるし。下手な男よりお前の方がいいだろう…お前、今晩はホームセキュリティーな。』
 最初に日万凛の家に着いて不用心だな、と思ったがやはりなという確信に変わる。

 そしてお前はホームセキュリティーだから日万凛にも手出しするんじゃねーよ!としっかり釘も刺される。
 「……わかった。今晩はホームセキュリティーしてやるけど、手出し云々に関しては気が向いたら守ってやるよ。」

 『後半の回答は気に入らねぇが、日万凛を傷付けるなよ。あー蒼生がいるなら今すぐ俺が駆け付けたいところなんだけどな、出張してるから今地方なんだよなー。』
 出張で出張ってるならわざわざ連絡してくるな、とも思うが言うと噛み付いてくるから黙っておく。

 『取り敢えず、ホームセキュリティー宜しくな。あー、明日の日万凛の慌てようが目に浮かんで楽しみだな。』
その潤の言葉に蒼生も明日の日万凛の慌てようが目に浮かぶ。

 「だな、でも俺が帰るタイミング逃したのは日万凛が帰るなって言ったからだからな。明日、きっとそのセリフ言ったことをめちゃくちゃ後悔するんじゃねーの?」
 『ハハッ。違いねぇな。…折角のチャンスなんじゃね?起きたらちゃんと日万凛と話してみろよ。何度も言ってるが俺からは連絡先は教えないからな。じゃーなさっさと失恋して泣け。』
 最後は言うだけ言って一方的に通話を終了された。

 そしてまた部屋には静寂が訪れる。
 日万凛は相変わらず夢の中で気持ちよさそうに寝息を立てている。

 傍に居たいとそっとベッドに近付く。横向きでややうつ伏せ状態で眠っている日万凛はセミロングの髪の間からうなじが見えている。カーテンの隙間から薄っすら入ってくる月明かりがそのうなじを照らし、それが蒼生には色っぽく見えた。
 魅入ってしまったら最後、気がついた時にはうなじに引き寄せられる様に蒼生は唇を押し当てていた。キスマークというサプライズを。