腑に落ちない、そう思いながらも蒼生の言う事も最もだと思いシャワーを浴び軽く身支度を整える。
 誰かと一緒に朝を迎えたのはもう5年以上前の事。酔った上に甘えてしまいなし崩しの状態でだが、今こうやって蒼生と朝のひと時を過ごしている事に対し嫌に感じない、むしろ嬉しいと日万凛は思っている。

 部屋に戻ると蒼生は勝手に冷蔵庫を漁って軽食を作ってくれていた。
 昨日の今日で部屋に蒼生がいる事に馴染みすぎていてそれは如何なものだろうか?と、過ぎりつつも日万凛はこの現状を楽しもうと気持ちを切り替えた。
 再会してからの蒼生の纏う空気に棘が無くなり、一緒にいるこの空間が心地いいのだ。

 再会までの蒼生に対しての嫌悪感はこの時点でおもしろいくらい日万凛の中から消えていた。だが何故今更優しくするのだろうか、という新たな疑問が生まれてくる。

 蒼生が用意してくれた軽食はトースト、ベーコンエッグ、そしてサラダだ。スープは常備している粉末のオニオンスープを日万凛が用意した。
 二人でテレビの音声をBGMにして食べる食事はなんだかくすぐったい気分だ。

 「そーいや、日万凛がシャワー浴びている時夏目さんから着信あったぜ。今シャワー浴びてるから後で掛け直させるって言ったからさ、掛け直せば?」

 「!!えっ?!?ちょっと何電話出てるの?そして何言ってくれるの!?誤解されるじゃない!!!」

 日万凛は急いでスマホを確認すると泪からのSNS通知を受信していた。
 普段はSNSでトークしていても用件だけ端的に伝えてくる事が多いのが泪だ。

 BARで別れて多分、泪達が帰宅した頃に二件。
 これは久々の幼馴染の再会に関して。
 安否確認とまでは行かないけれど、心配してるから帰宅したら連絡して、との事。

 そして今朝のはよく分からないスタンプの乱舞に変換し損ねて平仮名だけで送信していたり誤変換も多々ある。相当動揺しているらしい。
 要約すると【昨晩、何があったのか(何で日万凛のスマホから男の声がするのよ!?大丈夫!?)】という事だろう。

 そして泪の恋人の智之からもSNSでメッセージ送られていていた。
 【泪が叫びながら日万凛ちゃんにSNSのメッセージ送ってるけど…大丈夫?(いろんな意味で)昨日幼馴染くんと再会したそうだね、泪が心配しているから連絡してあげて欲しい。】と入っていた。