みんなで定時に上がり、一次会はよくあるチェーン店の居酒屋でご飯メイン。そして二次会は今回この企画のきっかけを作ってくれた不破に連れていってもらったBAR cachtteへ行くことにした。

 この日のBARは金曜の二十二時過ぎ、ということもあり席は半数以上埋まっていた。空いていた最奥のテーブル席に案内され各々アルコールを頼み話に花を咲かす。
 居酒屋では仕事から直接向かった影響もあるのか仕事の話がメインだったが、ここにきてからは話題は専ら恋愛についてに変わった。
 BARの雰囲気の影響もあるのだろう。

 最初は泪が話し始めた。泪には長く付き合っている年上の彼、智之がいる。泪は智之を「優柔不断」とよくバッサリ切るが、それがサバサバしている泪と相性が合うのだろう。
 泪自身は自分が手綱を握っていると思っている様だが、智之と何度も会った事ある日万凛からすると実際は智之の方が要所抑えている、という印象だ。
 二年程前から同棲をしているが、互いの仕事の状況によってはすれ違いになる事も多々ある。
それでも小さい喧嘩はありつつも長く付き合っていられるのは互いを尊重しあい、歩み寄りの努力だったり、思いやりだったり日常の小さなことの積み重ねなのだろう。