おじいちゃんを神父に見立てて結婚式ごっことかしてたとか…考えるだけでも恥ずかしい記憶だ。
　また蒼生のおじいちゃんはノリノリで「えー、それでは新郎蒼生、新婦日万凛ちゃんの好きな所を三つ述べよ」とか言ってたっけ。
　照れる蒼生には「蒼生、これをちゃんと言わないと日万凛ちゃんと結婚出来ないんだよ。」とか、そんなことあり得ないのは大人になった今なら分かるけれど、蒼生も日万凛も揶揄われて言わされたもんだ。
　そして、それを聞いた潤が蒼生に噛み付く。蒼生の兄の奏多は、日万凛達と八歳歳が離れているので遊びには参加していなかったけれど、たまに一緒にいる時などは暖かく見守ってくれた。
　「旅行、ありがとう。楽しみにしてるね！蒼生のおじいちゃんと会うのは…二十年振りくらいかしら？小学校の頃にお会いしたのが最後だった気がするけど…」
　「そーだな、中学上がる前位に社長退任して会長職になってからちょっと離れた所に引っ越したからなぁ…」
　蒼生は覚えているだろうか、幼い頃の遊びを。そこを聞いてみたい気もするけれど、それより目下の予定の旅行だ。
　「会えるの楽しみにしていますと、おじいちゃんに伝えておいてね！」
　「ああ、伝えなくても向こうが楽しみにてるから大丈夫だ。そんな事よりも旅行の事、決めよう。…場所は本当にここでいいか？嫌なら他でもいいし。交通手段は俺が車運転するからいいとして、待ち合わせ時間は…前日どうせ俺の家だろうから気にしなくていいし…後はお前の服でも買いに行くか。」