「因みにあの日は、レストラン出たあと、即タクシーに押し込んで帰らせた。俺は会社に戻って仕事していた。もう、華蓮は俺の前にも、そしてお前に前にも現れない。漸く片が付いたんだ。」
 だから、俺から離れるなんて言うな。
 そう言いながら、再びきつく抱き締められる。全て腑に落ち、漸く蒼生が日万凛だけのものになったのだとじわじわと実感してきた。

 「…もう、蒼生は私に隠し事、しない?一人で解決しようとしない?この件、ずっと不安だったの。寂しかったの。けれども、自分で動けなかった自分が本当に嫌で。辛かった…」
 「ちゃんと、話す。だからお前もちゃんと今みたいに自分の思っている気持ち、言葉にして伝えて…ちゃんと聞くから。…まさか今日別れ話されると思わなかったけど、おかげで日万凛も気持ちちゃんと聞けてよかった…」