何かが纏わり付いているような、閉じ込められているような、そんな感覚を覚え、目を開ける。
 目の前に見知らぬ腕を見つけて、身体を強張らせたら背後から聞こえたのはずっと聞きたかった蒼生の声だった。
 その後、蒼生から発せられた「ごめん」の一言で日万凛の心は、悲しみや怒り不満に振り回される事となる。

 「…ねぇ、ごめんって何?あのお嬢様と結婚するから?ねぇ、どうして…こんな中途半端事をするの…もう、蒼生の事わからない…」
 抱き込もうとする蒼生の身体を両手で突っぱねながら訴える。
 泣くまいと我慢していたいところだが、日万凛の両目から涙がひとつ、そしてまたひとつ零れ落ちた。
 もう頭の中はぐちゃぐちゃになっている。

 そのごめんはあのお嬢様のところに行くから?
 それとも元々は日万凛との恋なんて所詮、遊びでしか無かったから?
 今迄の蒼生の言動、全ては作り物なの?
 もう、別れよう。
 蒼生のことを、信じ続けるのが辛い。
 いつまで待っていればいいの。