連日飲み歩くのにもお金が掛かるし、先日はBARで和泉に遭遇し、格好悪い所を見せてしまったばかりだ。
 早く仕事が終わったけれど、流石に飲み歩きたい気分ではなく、仕方なしに帰路へつく。
 満員電車に乗り、押して押されて最寄り駅まで行き、駅の前にあるスーパーで食材を持てる限り買い、自宅へ帰る。
 帰宅してからは、着替えもそこそこに買った食材と冷蔵庫内にあった食材とで夕飯作り。久々にガッツリと料理して小分けして置こう。忙しくしていれば、スマートフォンを気にする事もなく、連絡来ないことに対してヤキモキしなくてもいい、それに作り置きしておけば、残業した時の自炊がぐんと楽になる。良いことばかりではないか。

 帰宅して四時間、作り置き用にと料理した数はなんだかんだと十品近く。味見と称して摘み食いを幾度もしていたから夕飯らしい夕飯取ってないが、お腹は既にいっぱいだ。
 台所の片付けもそこそこに、次は洗濯機掛けてから入浴でもと日万凛は動き出した。
 烏の行水とまでは流石にいかないけれど、基本シャワーで済ますことも多い入浴。今夜はお気に入りの入浴剤を入れ、防水スピーカー使ってお気に入りの曲聴きながらゆっくり入ろう。
 のんびり湯船に浸かっていて、日万凛はここ暫く感じていた重しが軽減された気がした。
 蒼生のことを考えてしまうと逢いたくて、切なくて仕方ないけれど、自分から連絡する勇気すらなくて悶々としていた。