店内に戻り、同僚に帰る旨を伝え家に向かう。日万凛を一目で気に入っていた同僚は帰る間際まで「田崎、さっきのカウンターの彼女とお前の関係は何だ!?」と、問い詰めて来たがそんなのは無視だ。
 タクシーを呼び自分のマンションに帰る。ソファーに座り、片手でネクタイを外しながらもう片手でスマートフォンを操作して日万凛に電話する。

 コール数回で日万凛は「潤?」と話し始める。それを遮る様に「日万凛、今何してる?」と聞く。さっきまで同じBARに居て少し前に帰宅しているのも知っている。だが普段通りにしないと、日万凛を頭ごなしに責めてしまいそうになる。
 半ば強制に日万凛とのデート約束をする。日万凛が行きたがっていたホテルのディナーだ。思い付きで日万凛に言ったが予約が取れるかどうか。電話してみたら運良くキャンセルが出たとのことで予約を取ることができた。