「あお…私、確かに入りたいって言ったけど…。」
 後ろから抱きしめてくる蒼生にブツブツ文句言う。点滴もし、幾分楽になってきたからシャワーを浴びたい、蒼生にそう言ったら一緒にお風呂に入る羽目になったのだ。
 「まだ熱もあるし心配だから俺と一緒ならな。」と、強引に浴室に侵入されてしまいそのままなし崩し状態で一緒に湯に浸かっている。

 臀部にちょっと女の子にはない硬いものが触れているのが気にはなるが、特に何かちょっかい出してくるわけでもなく日万凛の介助をしてくれている。
 ただ、それでもやはり気になる。我慢させてしまっているのだろうか。顔を後ろに向ければ少し顔を赤らめた蒼生が苦笑していた。
 「…生理現象は仕方ねぇだろ。体調悪いってわかっていても好きな女と一緒なんだよ。でも今日は何もしない。弱っている日万凛は見たくないから早く治せよ。」
 そう言いながらポンと頭を撫でられる。

 「我慢してる?」と、問えば眉間にシワを目一杯寄せて「………してる。嘘はつきたくないからな。」とそっぽ向いてボソっと告白してきた。
 「日万凛の前でカッコ付けたいって今も昔も思ってるけど、日万凛だからヤりたいと思うし、日万凛だからこそ大切にしたいから我慢しようと思える。」
 そして背後からギュッと抱きしめられる。耳許で「日万凛は?俺、欲しい?」と聞かれ身体がビクンとする。