付き合い始めて初めてのイベントがクリスマスだった。
 今年のイヴは平日だった。けれども蒼生がホテルのクリスマスディナーを予約していてくれて一緒に過ごすことが出来た。

 忙しい中、会ってくれただけでも日万凛は嬉しかったけれど、蒼生はプレゼントも用意していてくれていた。
 海外ブランドのネックレスだ。誕生日プレゼントに貰ったブレスレットと同じブランドのもの。
 「つけてやる。」とぶっきら棒に言いながらも、ネックレスを着けてくれる蒼生の指は優しい。
 日万凛からはベタだが、ネクタイを用意した。蒼生のスーツに見劣りしない様にブランドものの一本数万円するものを選んだ。
 慣れないブランドの紳士服売り場で、蒼生の事を考え選んだ時間はとても擽ったく、そして幸せな時間だった。