会えない日が多い分、会っている時は蒼生はとても大事に扱ってくれるのだが、それがこそばゆい。

 そして付き合い始めた当初と変わったところがあった。
 それはデート出来る日は必ず日万凛の会社に蒼生が迎えに来るようになったのだ。何も前触れなしにエントランスで待たれていた時はとても驚いた。
 蒼生がいることにもだが、蒼生に群がっていた女子社員にも驚いた。

 蒼生は日万凛を見つけると、女子社員に纏わり付かれ不機嫌そうな顔だったのが、一転して優しい顔をして日万凛の元へ歩みを進め始める。
 それには不謹慎にも優越感を感じる。
 偶然その場まで同行していた泪は、そんな蒼生の表情を見て「神崎さん、初めて会った頃よりずっと優しい顔している。」と言っていた。それが、日万凛の心を温かくする。

 何度も言うが蒼生はとても変わった。日万凛に合わせているのではないだろうか、無理をしているのではないか。気になり、疑いだしたらキリがない。
 言葉が足りなくて散々すれ違っていたのだ。だから日万凛は過去を教訓にし、不安を言葉に出すようにている。蒼生もぶっきらぼうだけれども、言葉で伝えてくれる。
 愛されている、そう解っていても日万凛は自分自身にどうしても自信が持ち切れない。ウジウジ悩んだりする事も多い。蒼生はそのウジウジ悩んでいる日万凛を包み込むように見守ってくれている。

 そんな状況が日万凛にはとてもくすぐったく感じ、嬉しいのも事実だ。