それは漸く拗らせに拗らせた蒼生の初恋が成就して間もなく三ヶ月。
 日万凛のアパートの前で、その場の勢いとしか言いようの無い告白をし、漸く初恋を実らせることが出来たのが夏の暑い時期だったけれど、季節はもう秋真っ盛り。
 街はハロウィンの装飾で彩られている十月下旬。

 (……ん?あそこにいるのは日万凛か?)
 仕事終わり駅の方に向かって歩いていたら、やっとの思いで捕まえた初恋の女が居た…
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 知らない男と一緒に。

 日万凛の事を信じてないわけじゃ無い。だが普段蒼生には見せない笑顔をその男に向けててチクリと痛む。

 日万凛と再会してからの蒼生は散々余裕無いところを日万凛に見せつけてた。告白は色気もクソもない日万凛のアパート前だ。想いを伝える、これだけに必死で。
 それに付き合い始めて間もなく日万凛が仕事上で千隼と再会したと聞いた時。イライラした。不機嫌な顔を曝け出した。