リフレッシュを兼ねてエントランスの奥にあるカフェに泪と来ていた。
 相当思い詰めた顔をしていたのだろうか。泪に問い詰められたのでポツポツと先日、誘いに応えられなかったと話す。泪に話したら「日万凛は自信無さ過ぎる!そして神崎さんを信じ無さ過ぎる!」と叱られる。
 蒼生と恋人になってから三ヶ月近く経った十月下旬。カフェの窓から見える街路樹は色づき始めている葉もある。店内の装飾はハロウィン一色になっていて、見る目を楽しませている。
 だが、日万凛の気持ちはどんよりしていた。

 「日万凛、しっかり考えて!もしね神崎さんがヤリ目的だったらBARで再会して送ってもらった日に日万凛酔った勢いでなあなあで抱かれてたと思う。それをしなかったのは神崎さんの誠意だと思うよ。それに何回か拒否されたら男だって怒る人も居るだろうし、とっとと見切りつけて連絡くれないと思う。けれど、神崎さんは違うんでしょ?」

 泪の言葉に頷く。

 「日万凛はちゃんと愛されてるよ。だから、神崎さんに愛されてるって自信持ちなよ?そうすればきっと素直に受け入れられるから。」
 そう言い終わるとポンっと頭を撫でられる。最近、蒼生やら泪やらとにかく頭を撫でられるなぁ…と思いつつ素直に撫でられておく。
 「泪、聞いてくれてありがとね。他、話せる人居なくて…職場の人達は何度言っても潤を彼氏だと思い込んでるし…」
 苦笑しながら話すと、泪は潤の件辺りから笑い出す。