蒼生との恋人関係は順風満帆と言いたい所だけれど、付き合い始めてそろそろ三ヶ月。未だに清いお付き合いである。
　一緒に過ごしていていい雰囲気になることはある。けれどもビクついてしまいそのまま有耶無耶な空気になって終わったり、日万凛が雰囲気変えを強行したり。

　その様な態度を取っても蒼生は怒らなかった。苦笑して頭をポンと撫でられる。そして「悪かった。」と一言謝るのだ。蒼生は何も悪くない、そう日万凛は思っている。悪いのは自分だと。

　ただ怖いのだ。

　自分に自信が無いせいで踏み込めない、それは分かっている。だから、もし蒼生が誘ってきたら素直に受け入れよう。何度もそう思った。けれども、いざ声に出して誘われたら何も答えられなかったのだ。

　蒼生の事は好きだ。それは蒼生に告白された時にもしっかり伝えた。
　「私は、蒼生が好き。けれども、ここで気持ちを受け止めていいのか分からないし、怖い。」と。まだ前進するのが怖いと思う。日万凛が受け入れる気持ちの準備が整えられるのが先か。はたまた蒼生に見限られるのが先か…
　専らの悩みはこれである。