蒼生とは家が近所、両家の両親が仲が良かったので幼い頃はそれこそ何するのも何処へ行くのも一緒に過ごしてきた。蒼生は時々意地悪をするけれど、ふとした時に見せる優しさある。
 そんな蒼生のことが日万凛は大好きで仕方なかった。幼い頃の日万凛はこのままの蒼生とずっと仲良く過ごして行くのだろう、と思っていた。だけれど、中学に上がった頃から二人の関係は変化していく。

 蒼生は中学入学してから暫くすると日万凛と距離を置く様になった。それと同時に素行も悪くなっていき、学校もサボりがちになっていった。
 そして学校でも外で会っても常に蒼生の周りには見た目も言動も派手な女子がいる。ちょっとでも蒼生に話しかければ蒼生の周りの女子に睨まれ、酷い時は嫌がらせもされたこともあった。
 だから日万凛からは蒼生に話しかけることはしなくなった。傍目から見た蒼生の恋愛は”来る者拒まず去る者追わず“のスタンス。お世辞でもいいお付き合いではないと思う。