☆☆☆

なんだかスッキリしない気分で、1人職員室へと向かう。


「あら、直井君は?」


1人で来た僕を見て寺井先生は瞬きをし、そう聞いて来た。


「仮病で帰りました」


僕は感じたことを素直に伝えた。


サボるのだから、少しは痛い目を見ればいい。


「あらそう。じゃあ、これお願いね」


寺井先生は特に気にした風もなく、僕に課題のプリントと教科書の要点をまとめたコピーを手渡して来た。


クラスで決めているのは1週間に1度のお見舞いだから、結構な量だ。


もちろん、それ以外でお見舞いに行くクラスメートも沢山いるけれど。


僕は渡されたプリント類を鞄に入れて、やはり1人で行くしかないようだと心を決めた。


そして職員室を出ようとした時だった。


「大富君」


と、寺井先生に呼び止められて振り向いた。