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僕は看護師たちの間を無理矢理通り抜けて間野さんの隣に立った。


心電図が間野さんの心臓が止まりかけていることを知らせていた。


「君! 外で待っていなさい!」


担当医に怒鳴られてもここをどけるワケにはいかなかった。


僕は間野さんの細すぎる手を両手で包み込んだ。


「頼む……生き返ってくれ……!」


僕の能力が使えるのはたった1度。


しっかり、よく考えて使わなきゃいけない。


けれどまさか、本当に使うときが来るなんて思ってもいなかった。


1度死にかけた間野さんが自分の能力を惜しげもなく他人に使い、1人でも元気になればいいと願った。


その気持ちを僕も少しだけ持てた気がする。


「間野さん……!」


次の瞬間、心電図が大きく動いた。


そして僕の意識は飛んだ――。