間野さんは最後の力を振り絞って僕の痛みを取ったんだ。


でも、どうしてそんなことをする必要があった?


僕と間野さんはほとんど会話をしたことがなくて、付き合いも短くて……。


その瞬間、僕は思い出していた。


『親友だから』


『それでも、僕は間野さんを親友だと思ってる。そう感じることに時間や接点なんて関係ない』


「親友だから……?」


あの言葉が原因だとすれば、僕はどこまでもバカな男だ。


間野さんは親友を欲しがっていて、それなら僕が親友になろうと思った。


たかが、それだけのことで間野さんは……!


「和利、大丈夫?」


「ごめん若菜。僕、行かなきゃ……!」