「なに、してんだよ!」


思わず怒鳴り声を上げてナースコールを押していた。


余命宣告されたからも繰り返し使われていた能力。


間野さんの余命がどのくらい減っているか、今の僕にはわからない。


「大げさだなぁ……このくらい大丈夫だよ」


そう答える間野さんの声はか弱く、かすれている。


嘘だろ。


冗談だよな?


焦りと恐怖で指先が震えた。


「利穂~。お見舞いに来たよ!」


元気な声と共に病室へ入って来たのは若菜だった。


果物の入った籠を抱えた若菜の隣を看護師がすり抜けてかけつけた。


「え……?」


入口で棒立ちになる若菜。


「なに? どういうこと?」


「今、ちょっと良くなくて……」