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「また来たんだ」


細い腕に点滴の管を通した間野さんが僕を見て憎まれ口を叩いた。


「うん。親友だからね」


僕はそう答えて丸椅子に座った。


間野さんは2日前よりもまた細くなったように見える。


「自分の考えを変える気はない?」


僕の質問に間野さんはほほ笑みを浮かべて静かに頷いた。


「例えば僕に同じ能力があったとしても、僕は自分が死ぬのが怖くて使うことができないと思う」


最初はわからずに能力を使うだろう。


だけどその時に知るのだ。


自分の命を削って使う能力なのだと。


人を助ければ感謝されるが、それだけで使う事ができる能力ではない。


でも……間野さんは違うんだ。


「私は生きている間に1人でも多くの子供たちを笑顔にしてあげたい。せっかくもらった能力なんだから無駄にはしたくない」