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僕のクラスには入退院を繰り返している女子生徒がいる。


名前は間野利穂（ﾏﾉ　ﾘﾎ）さん。


学校が始まって２週間が経つけれど、僕はまだ３回くらいしか彼女の姿を見たことがなかった。


肌は透き通る白さで、叩けば折れてしまいそうなほど細い手足をしているから、１度見たら忘れない。


しかし間野さんの笑顔は周囲に花が咲いたような愛らしさがあり、男子生徒の中では密かな人気を呼んでいた。


彼女の容姿に加えて原因不明の難病であるということが、間野さんを神秘的なキャラクターへと押し上げているようだ。


だけどそれは僕たちが勝手に作り上げた間野さんの幻想でしかない。


僕たちと間野さんとの接点は少なく、彼女がどんな生徒であるかと聞かれても普通なら答える事ができないレベルだった。


「翔。職員室に行こう」


放課後になり、僕は翔を誘った。


間野さんのお見舞いに行くために準備をしなきゃいけない。