その光景にホッと胸をなで下ろし、窓から離れた。


間野さんは検査にでも行っているのだろう。


いつ頃病室へ戻ってくるかわからないし、勝手に病室へ入ったことを怒られるかもしれない。


そう思って病室を出たとき、昨日の看護師が歩いてくるところだった。


「よぉ、君は昨日も来てたね」


気さくに声をかけて来る看護師に、僕は軽く会釈をした。


「どうも……」


「間野さんなら談話室にいるよ」


「談話室ですか?」


「うん。間野さんは子供たちと一緒にいるのが好きみたいだね」


「はぁ……どうも」


「いいねぇ、青春は」


まだ何かを勘違いしている看護師はそう呟いて、仕事へ戻って行った。


とにかく間野さんの居場所はわかったし、いらぬ心配をしてしまったみたいだ。


子供たちと遊ぶ元気があるならきっと大丈夫だろう。


間野さんは人生を悲観しているわけではなさそうだ。