もし本当にすべてが吹っ切れたような笑顔だとしたら?


自分の運命を受け入れたのではなく、その逆だとしたら?


そんなの僕の考えすぎだ。


僕は間野さんのことを何も知らないし、ちゃんと会話をしたのだって昨日が初めてだ。


そんな僕がなにかを決めつけて行動するわけにはいかない。


そう思っているのに、僕の足は病院へと向かっていた。


気になりだしたら胸騒ぎが激しくなっていく。


大丈夫だ。


病室へ行ってなんでもない様子で間野さんがそこにいたら、またお見舞いに来たと言えばいいだけだ。


昨日みたいに話がしたかったんだと言えば、間野さんは受け入れてくれるだろう。


僕にそんな上手い演技ができるかどうかなんて考える暇もなく、僕は病院に到着していたのだった。