1年A組の窓際、一番後ろの席は昼寝に最も適した場所だ。


「なにボーっとしてんだよ」


肩を叩かれると同時にそう言ったのは翔だった。


翔の顔を見た瞬間、昨日の出来事が鮮明に蘇って来て僕は勢いよく立ち上がっていた。


翔の肩をつかみ、壁に押し付けて睨み付ける。


「どうした和利、壁ドンか?」


翔はそう言って口元を緩めている。


「お前、なんで昨日来なかったんだよ!」


「なんだよ言っただろ? 体調が悪かったんだって」


「そんなの仮病だろ! 分かってんだぞ!」


そう怒鳴ると唾が気管に入り激しくむせてしまった。


普段大きな声を出す事もないから、こんな場面でもうまく行かない。


体をくの字に曲げて激しくせき込む僕に若菜はペットボトルのお茶を差し出してくれた。


ありがとうと言う暇もなく、一気にそれを流し込んだ。


「どうしたの和利。珍しく怒ってるじゃん」


若菜を見ると、昨日間野さんから聞いた話を思い出してしまいそうになる。