「っ。……俺も」 「大……好きっ」 「愛してるよ……」 唇を重ねると、眦から一筋の滴が流れ落ちた。 颯ちゃんの言葉の真意はどうでもよかった。 ただ、リリーに対する「愛してる」より、りこに対する「愛してる」の方が『他人』な分、現実味を増した。 仮令、この人に将来を誓い合った婚約者がいても、颯ちゃんは今『私』を見ている。 今、この瞬間だけは、颯ちゃんは私の……私だけのもの―――。 「颯吾さん……愛してる……」