リリーと会った時。
あの瞳は印象深いもので、純粋で真直ぐな瞳が、荒れた俺の心を揺さぶった。
大人になる過程で、その瞳の純な美しさに惹かれ。
その美しい瞳に、俺が好きだと、俺が必要だと訴え続けられ、しっかり囚われた。
リリーの体温のない人生なんて考えられない。
もし、俺に対する想いが、幼少期に刷り込まれたものだとか。
リリーの虐めという辛い日常を支えた、精神的な執着を恋だと勘違いしたものだとしても。
それはそれで構わない。
もしそうだとしたなら、一生勘違させ続けてやるだけだ。
どんなに時間をかけても、それを真実に塗り替えてやる。
リリー。
俺は今更手放せないんだ。