「断れないように録音までするやつだぞ?
怖くね?」

「じゃあ寝てる間にスマホ盗って、
データ消せば?」

「おお、それいいかも!」


たしかに。

こんなに悩まなくても、
いざとなればスマホ盗るか、
すごんで脅し返せばいいよな。


「俺は面白いと思うけどな、その話。」

「は?本気か?お前。」

「ああ。
お前、いっつもそんなキャラ作ってて疲れそうだなぁって、友達として心配してたんだよな。
だから、高山さんみたいに俺以外にもお前の腹黒い性格に引かない人が必要だと思ってた。」

「だから、キャラ作りじゃねえって。」

「はいはい。
まぁなんか危ねぇことされそうになったら言えよ。
助けるからさ。」


徹は冗談っぽく言うと、
「じゃあな」
と言って、チャイムと同時に部活へ走っていった。