それからというもの、顔を合わせるけどずっと怒っているみたいで賢晴とは話せない日々が続いた。

でも、それでもあたしは賢晴が好きだったし、ちゃんと分かってくれる日がくるって思っていた。

なのに……。



「おじゃましましたー」



コンビニで買い物を済ませて家に戻る時、賢晴の家のドアが空いた。

あたしと賢晴は同棲はしていなかったけど、隣の部屋に住んでいたから階段を登って向かい同士になっている。



「ああ、また」



ぽんぽんっと、家から出てきた人の頭を撫でる賢晴。



「賢晴……と、早川さん……?」



結構頑張ったと思う。
2人をこの目で見た瞬間、倒れそうになったから。



「……潤」



気まずそうな顔をした賢晴と勝ち誇るような顔の早川さん。

ふたりがこの部屋で何をしていたのか、あたしにだって察することができる。



「賢晴、あたし達って別れたのか……「何言ってるのよ!賢晴くんの仕事の邪魔したくせに!」



あたしの言葉を遮って、早川さんが声を荒らげる。