「まさかお前に邪魔されるとは思っていなかったよ」



こうなったらもうダメだ。
賢晴はあたしの言葉なんて聞こうとしない。



「そんな話信じないでよ」なんて言っても、信じてもらえないのがオチだ。
だから、しばらくそのままでいることに決めた。

正直、1年目のあたしたちにそんな言い合いをしている暇はない。
やっと、研修が終わって1人で担当できるようになったばかりなんだ。

星野さんは研修の時に少し関わらせてもらったから、仲良くなっただけで別に取ろうとなんて考える余裕もない。



「くだらない話してるなら黙ってくれるかな?あたし記録書くのに忙しいし、お昼食べたらすぐに午後のリハビリだから」



ほかの人の言葉を信じて、あたしに疑いの眼差ししか向けてくれない彼氏のことなんて気にしてられない。



「認めるってことでいいんだな」



賢晴はあたしの言葉を肯定と取ったらしい。



「そんなくだらない話してる暇はないの。勉強だってしたあし」



いつでも、何でも話せてた大学時代とは違った。
毎日が時間に追われていた。