「で、誰なのよ?」
「……あー、同じクラスの朝倉? ほら、向こうで今、湊とペアを組んでバドミントンやってるでしょう。ちょうどこっちに背中を向けてるから微妙にわかんないかもしれないけど、やたらと威勢のいい、右のほう」
前のめりで尋ねる朱里に、優紀が渋々といった様子で控えめに指をさす。
三人でネットの向こうに目を向けると、確かに湊の隣にやたらと威勢のいいジャージがいた。片方のすねだけ出してオシャレさん気取りなのか、よく見ると体育館シューズからはみ出たスニーカーソックスの色も、左右で違うようだ。
「あーあ、あんなに格好つけちゃって。ばんばんスマッシュ決められちゃってんじゃん。だっさー。ていうか、むしろイタいし」
「ぷっ」
「ぷぷっ」
「ぶっ」
優紀の酷評に、三人同時に吹き出す。
口ではひどいことを言っているけれど、優紀がすっかり朝倉を意識していることに気づかないわけがない。「ちょっとー。三人とも、なんで笑うのよー」と不服そうに唇を尖らせる優紀が、やたらと可愛くて仕方がなかった。
「……あー、同じクラスの朝倉? ほら、向こうで今、湊とペアを組んでバドミントンやってるでしょう。ちょうどこっちに背中を向けてるから微妙にわかんないかもしれないけど、やたらと威勢のいい、右のほう」
前のめりで尋ねる朱里に、優紀が渋々といった様子で控えめに指をさす。
三人でネットの向こうに目を向けると、確かに湊の隣にやたらと威勢のいいジャージがいた。片方のすねだけ出してオシャレさん気取りなのか、よく見ると体育館シューズからはみ出たスニーカーソックスの色も、左右で違うようだ。
「あーあ、あんなに格好つけちゃって。ばんばんスマッシュ決められちゃってんじゃん。だっさー。ていうか、むしろイタいし」
「ぷっ」
「ぷぷっ」
「ぶっ」
優紀の酷評に、三人同時に吹き出す。
口ではひどいことを言っているけれど、優紀がすっかり朝倉を意識していることに気づかないわけがない。「ちょっとー。三人とも、なんで笑うのよー」と不服そうに唇を尖らせる優紀が、やたらと可愛くて仕方がなかった。