もしかしたら、こういうのは女子の性分かもしれない。仲間内で相手の情報を共有し合うことにあまり抵抗や罪悪感を覚えない。

 もちろん男子同士でもしているかもしれない。でも想像するとちょっと引く。なぜか。


「私のぶんまで強引にギンガムチェックの生地を買ったのにさぁ。しかも、買った日の夜には作り終わっちゃったんだってよ? なのに、渡せないまま終わらせちゃうのは、見てるこっちがしんどいよ。だって、想う期間が長ければ、それだけ勝算があるってわけでもないじゃない? できちゃうときは、できちゃうんだよ。彼女だって、なんだって」

「そっか……うん、そうだよね」


 優紀の思いのほか熱い語り口に少々気圧されたようだったけれど、朱里がそう言って神妙に頷き返した。

 心当たりがあるのか、単に一般論に当てはめて頷いたのかはわからなかったけれど、朱夏にはばっちり思い当たる節があるので、ドキリと心臓が不穏に踊る。


 本当に優紀の言うとおりだ。

 どれだけ相手を――朱夏の場合は湊を好きでも、ほかに想いを寄せている子が湊に告白したら。そこまではいかなくとも、赤のギンガムチェックのお守りを渡したら……。