「学校行きたくないなあ……」
これから帰るというのに、気分はもう月曜日の朝だ。
バカなことをしてしまった、恥ずかしいことをしてしまったと頭を抱えて、詩はひと気のない教室でひとしきり唸る。それ以外に自分を慰める方法なんてない。
外からは相も変わらず、野球部の威勢がいいんだか、ただ闇雲に叫んでいるんだかわからないような「こーい!」「おりゃぁー!」という声が響いていて、後ろからは廊下をパタパタと走り去っていく女子生徒の足音が聞こえた。
……八つ当たりもいいところだが、もう一度言おう。みんな楽しそうでなによりだ。私はちっとも楽しくないけどね!
「どこかで間違えたのかなあ……」
またひとりごちて、寄りかかっていた机からトンと離れ、別棟から本校舎への廊下をペタペタと重い足取りで歩く。
二年生の階に着くと、向こうから歩いてきた他クラスの女子とすれ違った。彼女は、後ろから彼女を呼び止める声に振り向いてごめんと顔の前で手を合わせているところで、どうやら正面から来た詩には気づいていない様子だった。
これから帰るというのに、気分はもう月曜日の朝だ。
バカなことをしてしまった、恥ずかしいことをしてしまったと頭を抱えて、詩はひと気のない教室でひとしきり唸る。それ以外に自分を慰める方法なんてない。
外からは相も変わらず、野球部の威勢がいいんだか、ただ闇雲に叫んでいるんだかわからないような「こーい!」「おりゃぁー!」という声が響いていて、後ろからは廊下をパタパタと走り去っていく女子生徒の足音が聞こえた。
……八つ当たりもいいところだが、もう一度言おう。みんな楽しそうでなによりだ。私はちっとも楽しくないけどね!
「どこかで間違えたのかなあ……」
またひとりごちて、寄りかかっていた机からトンと離れ、別棟から本校舎への廊下をペタペタと重い足取りで歩く。
二年生の階に着くと、向こうから歩いてきた他クラスの女子とすれ違った。彼女は、後ろから彼女を呼び止める声に振り向いてごめんと顔の前で手を合わせているところで、どうやら正面から来た詩には気づいていない様子だった。