まあ晄汰郎は、にこにこ笑った顔なんて滅多に見せない気取った男だけれど、その人柄を研究し、模倣し、もとから自分もそういう性格なのだというふうに意識を変えていったら、いつの間にか身についていた。
ちなみに晄汰郎とは一年のときからのクラスメイトだ。身近にいい見本がいたのは、詩にはとてもありがたいことだった。
そうしていると、詩は少しずつ、男子の目を惹くようになっていった。
さっき晄汰郎にも言われたとおり、詩はもとから顔はいい。そこに性格の良さもプラスされれば、引く手あまたとまでは、さすがにいかないまでも、それなりに告白というものを経験するようになり、このやり方で間違いないと詩は確信を深くしていった。
そうして迎えた今年、二回目の夜行遠足。
満を持して晄汰郎を彼氏にするべく本命お守りを渡したのだが、詩はあっさりフラれてしまった。しかも好きでもないのに。
これでは、ますます憂鬱になるだけだ。
ただでさえ夜行遠足のことを思えば夏休み中から憂鬱で、本番一週間前ともなれば、どうにかして具合が悪くならないだろうかとあの手この手を尽くして体調不良を引き起こそうと密かに企てているのに、好きでもないのにフラれると、ある意味、好きでフラれるより精神的ダメージが倍増するような気がする。
同じクラスなのだから、なおさらだ。
ちなみに晄汰郎とは一年のときからのクラスメイトだ。身近にいい見本がいたのは、詩にはとてもありがたいことだった。
そうしていると、詩は少しずつ、男子の目を惹くようになっていった。
さっき晄汰郎にも言われたとおり、詩はもとから顔はいい。そこに性格の良さもプラスされれば、引く手あまたとまでは、さすがにいかないまでも、それなりに告白というものを経験するようになり、このやり方で間違いないと詩は確信を深くしていった。
そうして迎えた今年、二回目の夜行遠足。
満を持して晄汰郎を彼氏にするべく本命お守りを渡したのだが、詩はあっさりフラれてしまった。しかも好きでもないのに。
これでは、ますます憂鬱になるだけだ。
ただでさえ夜行遠足のことを思えば夏休み中から憂鬱で、本番一週間前ともなれば、どうにかして具合が悪くならないだろうかとあの手この手を尽くして体調不良を引き起こそうと密かに企てているのに、好きでもないのにフラれると、ある意味、好きでフラれるより精神的ダメージが倍増するような気がする。
同じクラスなのだから、なおさらだ。