夜行遠足は二学期の体育の評価に大きく影響するので、よっぽどの理由がない限り、休むことは許されない行事だ。必ず完歩しないと評価がもらえないほど教師も鬼ではないけれど、そのために頑張っただけというのが、詩はどうしても虚しかったのだ。
もっとこう、青春っぽいのがしたい。
青春の定義も意味も詩には今ひとつピンとこないけれど、周りの先輩たちの様子を見ていると、やっぱり青春だなあと思った。
好きな人のために赤のギンガムチェックのお守りを作る。渡せたり、渡せなかったり、お礼のりんごがもらえたり、もらえなかったり。アップルパイを食べている先輩の姿を何組も見かけたし、想いが叶わなかったのだろう、友達に慰めてもらっている先輩の姿も、夜行遠足後にたくさん見た。
そういうのを全部ひっくるめて、詩はいいなあ、青春だなあと、ギンガムチェックとりんごパイへの憧れを強くし、来年は私もと改めて思った。
そういうわけで、そのための準備も、詩なりに怠らなったつもりだった。
毎日身だしなみに気をつけたし、いつも穏やかに、誰に対しても態度を変えず、不平も不満も、悪口も文句も言わずに、にこにこ笑って――それこそ、晄汰郎のような人柄を目指して、自分なりに努力した。
もっとこう、青春っぽいのがしたい。
青春の定義も意味も詩には今ひとつピンとこないけれど、周りの先輩たちの様子を見ていると、やっぱり青春だなあと思った。
好きな人のために赤のギンガムチェックのお守りを作る。渡せたり、渡せなかったり、お礼のりんごがもらえたり、もらえなかったり。アップルパイを食べている先輩の姿を何組も見かけたし、想いが叶わなかったのだろう、友達に慰めてもらっている先輩の姿も、夜行遠足後にたくさん見た。
そういうのを全部ひっくるめて、詩はいいなあ、青春だなあと、ギンガムチェックとりんごパイへの憧れを強くし、来年は私もと改めて思った。
そういうわけで、そのための準備も、詩なりに怠らなったつもりだった。
毎日身だしなみに気をつけたし、いつも穏やかに、誰に対しても態度を変えず、不平も不満も、悪口も文句も言わずに、にこにこ笑って――それこそ、晄汰郎のような人柄を目指して、自分なりに努力した。