野球部らしく潔い坊主頭。いつも綺麗に手入れされているナチュラル眉。しゅっと通った鼻筋に、少し吊り気味の二重の目。唇は少し厚めだけれど、そこがまた可愛らしい。


 いい体をしているのも、もちろんポイントが高い。

 高身長で、マッチョすぎもせず細すぎもせず均整の取れた体型は、詩は直接目にしたことはないけれど、以前「Tシャツの裾で顔の汗を拭いたときにチラ見えした腹筋がえらいヤバい!」と、あっという間に女子の間に伝達されたほどの代物らしい。


 そういうわけで、詩たち女子の目には、見た目も中身も同年代の男子とは一線を画しているように映る晄汰郎だが。


「なんなのあいつ! じゃあ、いちいちチラチラ見てこないでよっ。こっちは勘違いするじゃん。人気のある男子なら彼氏にしてみたいと思うじゃん。女子の夢じゃんか!」


 詩のプライドをズタズタに切り裂き、このとおり我を忘れるほど怒り心頭させている。

 おまけに、誰にでも分け隔てなく優しいなんて嘘なんじゃないの!?と思わず目を剥いてしまうほどの毒舌ぶりだった。普段の様子とあまりに違う晄汰郎に、詩は数瞬、なにを言われているかわからなかったくらいだ。