「そうだ、ねえ、統吾。さっきヒマかどうか聞いてたけど、なんだったの?」
杏奈と色違いでお揃いにしたマスコットがたわわに付いた派手な鞄にポーチを詰め込むと、数分前のことが思い出された。
まだプロレスごっこを続けていた統吾たちに顔を向けると、ちょうど雄平に首回りをホールドされて「ぐえっ」と汚い声を出している本人の姿が目に入り、くるりは思わず半眼になる。
「ギブ、ギブ!」
真っ赤な顔で雄平の腕を叩き、カウントしていた瑞季が雄平の勝利を告げる。
やっとまともに息ができるようになった統吾は、首元に手を添えてゲホゲホと咳き込み、まだ若干赤い顔と充血した目でくるりを見ると、
「今日は金曜だし、夜まで歌うべ」
駅前のカラオケ屋の割引券、兄貴からもらったんだよね。と、くるりの綺麗に直ったアイラインに満足げに目を細め、制服のズボンから紙を五枚、ピラリと取り出した。
杏奈と色違いでお揃いにしたマスコットがたわわに付いた派手な鞄にポーチを詰め込むと、数分前のことが思い出された。
まだプロレスごっこを続けていた統吾たちに顔を向けると、ちょうど雄平に首回りをホールドされて「ぐえっ」と汚い声を出している本人の姿が目に入り、くるりは思わず半眼になる。
「ギブ、ギブ!」
真っ赤な顔で雄平の腕を叩き、カウントしていた瑞季が雄平の勝利を告げる。
やっとまともに息ができるようになった統吾は、首元に手を添えてゲホゲホと咳き込み、まだ若干赤い顔と充血した目でくるりを見ると、
「今日は金曜だし、夜まで歌うべ」
駅前のカラオケ屋の割引券、兄貴からもらったんだよね。と、くるりの綺麗に直ったアイラインに満足げに目を細め、制服のズボンから紙を五枚、ピラリと取り出した。