「あはは。もう、ばかなこと言わないの」
「うはは。確かにバカだ」
ほら、笑い方さえ違う。ばかとバカで、そこに込められている感情も愛情も全然違う。
……どうしても素直になりきれない。誤魔化してしまうし、比べてしまう。
名前に同じ〝朱〟を持っているおかげもあって、すぐに仲良くなり、ずっと一緒にいる朱夏と朱里だけれど、十六センチという身長の差以前に、いろいろとレベルが違う。
朱夏は、朱里といるときは特に意識して、自分をがさつに振る舞う癖が出来上がってしまっていた。自分の好きな男子をおすすめしてしまうあたりが、その最たるものである。
でも、どうしようもないじゃんか。
内心で毒をこぼし、「でも、とりあえずギンガムチェックは買っちゃうよね」と朱里に同意を求める。学校がある日は部活で遅くなるから買いに行けないけれど、土曜日曜の部活のあとなら、ゆっくり買えるだろう。
朱里と自分の、身長以外での埋められない差に気づいてしまったとき、朱夏はもう、がさつに振る舞うしかないと悟った。
朱里と一緒になって女子女子していたら、それこそデカい女のキャラじゃないし、男子にキモいと思われでもしたら最悪。生きていけない。
「うはは。確かにバカだ」
ほら、笑い方さえ違う。ばかとバカで、そこに込められている感情も愛情も全然違う。
……どうしても素直になりきれない。誤魔化してしまうし、比べてしまう。
名前に同じ〝朱〟を持っているおかげもあって、すぐに仲良くなり、ずっと一緒にいる朱夏と朱里だけれど、十六センチという身長の差以前に、いろいろとレベルが違う。
朱夏は、朱里といるときは特に意識して、自分をがさつに振る舞う癖が出来上がってしまっていた。自分の好きな男子をおすすめしてしまうあたりが、その最たるものである。
でも、どうしようもないじゃんか。
内心で毒をこぼし、「でも、とりあえずギンガムチェックは買っちゃうよね」と朱里に同意を求める。学校がある日は部活で遅くなるから買いに行けないけれど、土曜日曜の部活のあとなら、ゆっくり買えるだろう。
朱里と自分の、身長以外での埋められない差に気づいてしまったとき、朱夏はもう、がさつに振る舞うしかないと悟った。
朱里と一緒になって女子女子していたら、それこそデカい女のキャラじゃないし、男子にキモいと思われでもしたら最悪。生きていけない。