聞きたかった報告も聞けたし、朱夏と朱里には心苦しいながらも嘘をつきとおせたし、もう気持ちを押し込めておく必要なんて、どもにもないのだから。


「なんであんな、ひどいこと……っ」

「そうだよ! 人の気持ちをなんだと思ってんだって話だよ。あんなクソ野郎だとは思わなかった! 地獄に落ちればいいのに!」


「四年だよ……? こんな失恋のし方ってある? ひどい! さすがにひどすぎる!」

「そうそう、もっと言ってやれ、香魚!」


「本気で好きになった子に遊ばれて、こっぴどくフラれちゃえっ。私よりひどいフラれ方して、こっちの気持ちを味わえばいいっ」

「そうだ、そうだ!」


「ああもうっ。あんなのが好きだったなんてバカみたい! 貴重な時間を無駄にした!」

「そのとおり! あんなクソ男のことを考える時間さえ無駄無駄。全然っっ意味ない!」


「涙だってもったいないよ!」

「そうだよ、涙も貴重な水分なのに!」


 優紀が絶妙な合いの手を入れてくれるおかげで、心の中に溜め込んでいたものが、どんどん言葉になって吐き出されていく。