なんとなく学年別に分かれているグラウンドは、三年の学年カラーの紺に近い青色と、二年の臙脂(えんじ)色、一年の緑色の三色に綺麗に分かれていて、そこがなんだか妙に序列を思わせて面白い。


 しかし詩たちも当然、二年の女子生徒が固まっているエリアの後ろのほうに固まり、スタート前の最後のおしゃべりに興じる。

 緑に臙脂が混ざっても別にこれといってなんともないが、さすがに青には混じれない。気持ち的に、なんだかそんな感じである。


 前に少しだけあいさつをした香魚は、優紀とともに臙脂エリアの真ん中あたりに。例の彼女たちも、そのすぐそばに位置取りを決めていて、詩たちの周りには、文系の部活に入っている子や帰宅部の子など、体力にあまり自信のない面子(めんつ)が集まっているようだ。


 詩ももれなくそうなのだが、しかし詩は、友人たちの誰がリタイヤしようと、絶対に完歩すると決めている。

 なんとなく後ろのほうに来てしまっただけで、やる気の部分では、もしかしたら臙脂エリアの前のほうにいる子――いや、さっき拡声器で呼ばれた上位を目指している子、いやいや、一位を目指して歩いている晄汰郎よりも強いかもしれない。