そんな朱夏に気づいた香魚と優紀が揃って「おはよー」と手を振る。朝が早いためか、まだ、まぶたが若干むくんでいる香魚は、朱里の到着を待って話しはじめる。


「うん。とりあえず受け取ってもらえた、って感じかな。ふたりとも、ありがとね。ふたりに応援してもらったから渡せたよ」

「そっか、それはなにより!」

「てか、香魚ちゃんが頑張ったんじゃん!」


 朱里と顔を見合わせ、ニシシと笑うと、香魚は満面の笑みで「うん、すっごく頑張った自分ってすごいなって思った!」と自画自賛する。

 でも、香魚がそうやって自分を褒めるということは、それだけ頑張ったという勲章だ。四年も想いを秘めていたのだから、その頑張りは、想像するにあまりにも容易い。


「次は朱夏ちゃんと朱里ちゃんの番だね!」


 そう言って笑う香魚の笑顔が清々しい。

 やりきった充足感に満ちていて、朱夏は自然と背筋を伸ばさずにはいられなくなる。


 次は私の番、かぁ……。

 朱夏は、今もゴールの碁石を目指して歩き続けているだろう湊の姿を思い浮かべた。