誇らしいと言い換えてもいい。

 顔面レベルがなんだというのだ、トラウマがどうしたというのだ。私だってキラキラするんだ。キラキラしてるって思ってもらえるように努力するんだ。もう青春は無駄にしたくない。

 そうやって香魚は、今までになく強い気持ちで今日という日を迎えているのである。



「放課後になって俄然(がぜん)、気合い入ってるね」

「うんうん。今日の香魚ちゃんは、めちゃくちゃ可愛いよ。しっかり頑張っておいで」

「応援してるよー!」

「あ、優ちゃん。それに、朱夏ちゃんに朱里ちゃんも……みんな応援に来てくれたの? うわー、なんかすっごい恥ずかしいー……」


 自分の席で本命お守りをぎゅっと握りしめて気持ちを作っていると、優紀、朱夏、朱里が香魚の机の周りに集まってきた。

 朱夏と朱里は部活に向かうためにスポーツバッグを肩に(たすき)掛けにしていて、部活前にちょっと寄ってみました、という雰囲気だ。


 けれどふたりの眼差しはすごく温かい。体育の授業中にふたりにもいろいろと話してあるため、どうやら駆けつけてくれたようだ。