晄汰郎のことは好きだが、あまり関わりたくない。せっかく積み重ねてきた〝自分をよく見せるための努力をした私〟を内側から作り変えられていくようで、怖いのだ。

 まるで間違った努力だったと有無を言わさず突きつけられているみたいで、晄汰郎に対して腹も立つし、自分に対しても虚無感が拭えない。


 しかし、そんな期待も虚しく、こうして毎日、くれくれとせがまれるようになった。

 このとおり別段欲しくもなさそうなのに、なんでこう、毎日毎日くれくれ言われなきゃいけないの? 詩はもうわけがわからない。


 わざと気まずい空気を作ろうとして、あんなことを言ったわけでは、もちろんない。でも、十分気まずくなる出来事のはずだ。

 ……え、晄汰郎はそういうの関係ない人だったりするの? そういう系? 私なんて、目が合いそうになると、あからさまに逸らしちゃうくらい、めっちゃ気まずいんだけど。


 想像を超えて行動してくる晄汰郎に関しても、詩はとことん理解できない。

 男子って案外こういうものなのかもしれないなと思う反面、いやいやいや、晄汰郎だからなんじゃないの、と感情の振り幅が大きくて、そんな自分に振り回される四日間だ。