「そうだ。今日は久しぶりに、グラウンドのほうの道を通って帰ってみようかな」
遠回りになるけど、さっきの子たちが窓からなにを見ていたのかも気になるし。
そうして香魚は、足を一路、裏門のほうへと向けて歩き出した。
鞄の外ポケットに差し込んだスマホが震えたので確かめると、優紀からの【恩に着る~!】という返事だった。
それに【いいえ~】とスタンプ盛りだくさんで返して、再び外ポケットに差し込む。すぐに返事は来ないだろう。そこは朝倉くんの勇気に免じて仲よく話してあげてほしい。
あ、とんぼだ。すごい群れ。ああ、もう栗の木から実が落ちてくる頃なんだなぁ……。
そうやって秋を感じながら、ゆっくりとしたペースで歩く。
優紀と一緒に帰るときは、話すのが楽しすぎて周りの景色なんてほとんど見ないけれど、そういえば、もうすっかり秋だ。山の木ほどではないにせよ、平地でもところどころ紅葉もしている。
ほどなくしてグラウンドの脇に着く。
今度はそちらに顔を向けてまた少し歩調を緩め、さっきの五人グループが揃って窓からなにを見ていたのかを、探してみることにした。
「……ん? いつもとなにが違う?」
遠回りになるけど、さっきの子たちが窓からなにを見ていたのかも気になるし。
そうして香魚は、足を一路、裏門のほうへと向けて歩き出した。
鞄の外ポケットに差し込んだスマホが震えたので確かめると、優紀からの【恩に着る~!】という返事だった。
それに【いいえ~】とスタンプ盛りだくさんで返して、再び外ポケットに差し込む。すぐに返事は来ないだろう。そこは朝倉くんの勇気に免じて仲よく話してあげてほしい。
あ、とんぼだ。すごい群れ。ああ、もう栗の木から実が落ちてくる頃なんだなぁ……。
そうやって秋を感じながら、ゆっくりとしたペースで歩く。
優紀と一緒に帰るときは、話すのが楽しすぎて周りの景色なんてほとんど見ないけれど、そういえば、もうすっかり秋だ。山の木ほどではないにせよ、平地でもところどころ紅葉もしている。
ほどなくしてグラウンドの脇に着く。
今度はそちらに顔を向けてまた少し歩調を緩め、さっきの五人グループが揃って窓からなにを見ていたのかを、探してみることにした。
「……ん? いつもとなにが違う?」