恋をしてもいい子と、そうじゃない子。
告白をしてもいい子と、そうじゃない子。
みんな同じ、平等だ、個性があって当たり前、そこを大事にしようとは、よく言う。
けれど真の〝リアル〟は残酷なまでに二分されていて、いまだアメリカなどで黒人が白人に不当な扱いを受けたという痛ましい事件が度々海を越えて世界に拡散されるように、根っこでは――それこそ細胞レベルでは人は常に無意識に、あるいは意識的に、自分より上かそうじゃないかを判断し、ランク付けをし、そうして許される子と許されない子とに分けている。
人間くさいと言えばそれまでだけれど、差別は絶対になくならない。
そして香魚は、自分は後者だと、もう十年以上も前から、はっきりと自覚している。
幼稚園児のとき、当時、幼心に格好いいと思っていた男の子に『おおきくなったらけっこんして』と言ったら『あゆちゃんはカイトくんとけっこんしなよ』と言われて、大泣きするほどショックを受けたことがある。
その〝カイトくん〟は正直、そんなに格好いい男の子ではなかった。
つまり、そういうことだ。
自分の顔面レベルをわきまえろ、的な。
告白をしてもいい子と、そうじゃない子。
みんな同じ、平等だ、個性があって当たり前、そこを大事にしようとは、よく言う。
けれど真の〝リアル〟は残酷なまでに二分されていて、いまだアメリカなどで黒人が白人に不当な扱いを受けたという痛ましい事件が度々海を越えて世界に拡散されるように、根っこでは――それこそ細胞レベルでは人は常に無意識に、あるいは意識的に、自分より上かそうじゃないかを判断し、ランク付けをし、そうして許される子と許されない子とに分けている。
人間くさいと言えばそれまでだけれど、差別は絶対になくならない。
そして香魚は、自分は後者だと、もう十年以上も前から、はっきりと自覚している。
幼稚園児のとき、当時、幼心に格好いいと思っていた男の子に『おおきくなったらけっこんして』と言ったら『あゆちゃんはカイトくんとけっこんしなよ』と言われて、大泣きするほどショックを受けたことがある。
その〝カイトくん〟は正直、そんなに格好いい男の子ではなかった。
つまり、そういうことだ。
自分の顔面レベルをわきまえろ、的な。