10年後、思い出したくなる物語




「お前らな。こんなとこでベタベタするな」


末次先輩が、私と沢崎くんの肩を叩いてそう言った。


「別に、…してないっすよ」

沢崎くんは照れ隠しなのか、少し離れた席に一人で座り直した。




「国枝さん、今日は実行委員の集大成だね」


沢崎くんをニコニコ見送りながら、そう言うと先輩は続けた。


「準備期間は、特に国枝さんには色々と仕事を手伝ってもらって、本当に助かったよ。ありがとう」


「いえ…こちらこそ。私、部活も何もやってなくて何となく実行委員になっただけだったんですけど」


「色んなことやるうちに楽しくなって、いつの間にか実行委員が無い放課後がつまらなく感じるくらい…。
それもこれも、先輩が色んな仕事を任せてくれたからです」



私が一気に喋ると、先輩は少し驚いたような顔をした。


「アハハっ、国枝さんがそんな風に思ってたなんて。自分の気持ち、ちゃんと曝け出せるようになったんだ」


「…はい、成長しました」


いつか先輩がケーキバイキングで話してくれたことを思い出す。